ミツバチの羽音と地球の回転

 昨日、関西よつば連絡会さん主催で「六ヶ所村ラプソディー」の鎌仲ひとみ監督の新作ドキュメンタリー映画ミツバチの羽音と地球の回転」を見に行った。若い頃から原発には疑問を感じていたし、「六ヶ所村・・・」は衝撃的だった。おまけに今回の映画は上関原発の予定地の至近距離にある自然の宝庫、祝島の人々を取材したとあって興味があった。
 私が初めて祝島の名前を聞いたのは、横浜のアウディオペーデの講座で知り合ったKさんから。山口県の自然の豊かな地で「光賢治の学校」を主催されている方だ。自然の中で子どもたちを伸び伸びと育てるその学校にKさんは全力で関わっておられ、瀬戸内海を隔ててすぐ向かいの祝島の人たちとも交流があるようだった。いまだに多種多様な生物が棲む宝の宝庫のような島のすぐそばに、あろうことか原発が建とうとしている。他の地域の人たちが中国電力からお金をもらって推進派に回るなか、祝島の人たちだけは断固としてお金を受け取らず、28年間に渡って反対運動を続けていると聞いていた。美味しい祝島の無農薬みかんをkさんからいただいたこともある。そんなこともあって、他人ごととは思えず、何かできないかと思っていた。
 映画は島民ひとりひとりへのインタヴューを交えて進んでいき、美しい海と大地に根ざした島の生活を命がけで守ろうとしている人たちの思いが画面いっぱいに伝わってきた。また、いち早く脱石油、脱原発を決めたスウェーデンの人たちの、持続可能な社会を目指す取り組みを見せてもらった。話に聞いていた「虹のカヤック隊」という、電力会社の暴力的な行動を阻止する若者たちの姿も映像で見せてもらった。
 映画の後、鎌仲監督のお話があった。予想していたよりはるかに若く、素朴な感じの方で驚いた。そして静かな語り口で、取材を通じて見聞きした事実を淡々と話されたのがかえって印象的で、ひとりひとりがしっかり目を開けて、世の中で起こっていることを見なくては、と思わされた。
 「ミツバチの羽音と地球の回転」は8月25日クレオ大阪西で上映と監督の講演がある。皆さん是非、足を運んでください。
公式ホームページ http://888earth.net/index.html