ライア

1月20日
 3月にアウディオペーデでライアの試験を受けることにしたので、このところ毎日ライア(竪琴のような楽器。「千と千尋の神隠し」で木村ゆみさんが弾いていた)を弾いている。この楽器はピアノを弾く者にとってとっつき易い楽器ではあるが、音の順番がわかってただ弾くとういうだけでは意味がない。もともと音楽療法のために作られた楽器で、演奏用ではないだけに
、響きがとても繊細である。日常の慌しくざわついた感覚のままではライアの響きを聴くことは難しい。残念ながら慌しい日々を送っているので、以前はなかなかライアに向かうことができなかった。ところが最近やっと、その響きの聴き方がわかってきた。「ライア耳が開いた」という感じである。ライアの響きは普通の耳で聴くのではなく、耳を拡張して聴く、というか背後の空間に耳を広げるようなつもりで聴くのである。手元にあるライア教本には「聴領域」とある。とにかく、やっと試験を受ける決心がつき、やっとライアが好きになった。何があっても毎日弾く決心をし、実行しているせいもあるだろう。何事も始めは自分に課さなければ始まらないのだ。