1本の木

1月から観察していた1本の木がある。冬のあいだ固くちぢこまっていた芽が、最近ふくふくと太り出した。見るたびにふくらみ、柔らかくふくらんできたと思ったら、とうとう今日1つの芽から花びらが5枚空に向かって広がっていた。桜の木だったのだ!梅林の間に沢山の枝を広げて立っているその木が桜だとは不覚にも気付かなかった。毎年見ているはずなのに。それにしても桜という木は、その花の季節になって初めて存在に気付くことが多い。ここにも、あそこにも、桜の木があったのだ!・・・夜になってから雨が降り出した。こうしてひと雨ごとに季節は春になっていく。雨がやんだら先日届いた看板を取り付けよう。新しい季節に、新しい気持ちで「ピアノのへや」もリフレッシュだ。